ぼやきコーナー

原発の「低コスト」

毎日新聞の記事によると、通産省は昨年末、「原子力発電の経済性試算」を5年ぶりに改定したが、それによると、原発1キロワット時あたりの発電コストは5.9円で、他の電源に比べ一番安いそうである。5年前の同省の試算は約9円だったから大幅に下がったわけである。「何で下がったんやろ?」と思うわな。何か、企業努力か?ウランが安くなったのか?技術革新か?

タネを明かせば、従来の試算方法では原発の運転年数を法定耐用年数の16年としていたのを今回は一気に40年とし、稼働率も70%から80%に高めたそうである。そら、数字の上では下がるわな。新聞を見てたら、原発事故の記事のない日の方が珍しいけどな。

で、東電がこの夏、経営環境の解説パンフレットの作成を計画し、その中で原発の発電コストを通産省の現行の試算である5.9円の他に旧来の9円という数字も併記することにしたが、それが通産省の逆鱗に触れ、「原発の発電コストが5.9円などというデータは対外的にとても使えない」「いや、使ってもらわなければ困る」などという論争が起きたあげく、東電幹部は出入り禁止になったという。何しとんねん!!ちなみに、東電のある幹部によると「当社の実績値では8〜9円」という。さらにちなみに、通産省が5年ぶりに改定を行った昨年は東海村の臨界事故があった年やわな。