ぼやきコーナー

京都議定書の2002年発効、絶望的に

最近、冬が暖かい。異常に暖かい、いや、暑い。昨日、今日と寒くなったが、それまでは「もうすぐ12月でっせ。大丈夫でっか?」というくらい暑かった。というわけで、今回は地球温暖化の話題。お笑い「加藤政局」のおかげで影が薄くなった感があるが、京都議定書の具体的ルールを決めるために先日までハーグで開かれていた国際会議は会期を一日延長し、徹夜で議論したにもかかわらず合意にいたらなかったため、残念ながら議定書の2002年発効は絶望的となった。

「歴史的合意」とまで言われた京都議定書は「08年から12年までの間、COなどの6種類の温室効果ガスの年間排出量を90年に比べ、5.2%削減することを目標にする」というモノで、各国は「02年には発効を」という共通認識を持っていた。

この会議で最大の対立点となったのが、算出方法に科学的根拠が乏しいとされる森林によるCO吸収量をどこまで認めるかであった。日本、アメリカ、カナダが強硬に「認めてチョー!!」と求めたのに対し、EUや途上国などが反発。アメリカのロイ国務次官は「米国の数値目標は7%だが、経済成長によるCO2排出増で、2010年には35%も減らさねばならない。米国の世界経済への貢献を考えれば、森林吸収などを柔軟に考えて欲しい」と演説した。お前、何様や?ちなみにドイツは21%ね。

日本は6%の削減目標のうち、実に「3.7%の森林吸収量を認めよ」という主張。「京都会議の精神は何処へ行ったんや?っちゅうか、議定書の目的は何なんや?」と、EUや途上国らの猛ツッコミを受けたらしい

森林吸収などの利用を図った日本は世界の環境NGOから「交渉を混乱させた」と批判された。アメリカのこの手の会議の横暴ぶりはいつものことだが、京都会議議長国として温暖化防止の先頭に立つことが求められていた日本は、その責任を放棄した点で、アメリカ以上にハーグ会議失敗の戦犯としてみられるであろう。あぁ、情けない

ま、それもそうなんやけど、ワシが驚いたのは日本の別の主張。その内容は、「先進国による途上国での原発建設を温暖化対策として認めよ」というもの。何じゃ、そりゃ?日本は「温暖化ガスを出さず、環境負荷が少ない」と原発の効能を主張したそうであるが、放射性廃棄物の処理の問題や事故への懸念などからまたもや世界中から猛ツッコミを受けたらしい。あったりまえ!自分とこでも全然解決しとらへんのに、ようもまぁ、人様に勧めるもんや。しかも、それを「温暖化対策」やて?

川口環境庁長官は「発効に向け、リーダーシップを取りたい」という会議前の発言とは裏腹に、「原発に関する主張を諦める点で妥協をはかる」という政府の腹案に、自身で反対したそうである。何やっとんねん。彼女はまた議長との最終折衝で合意にいたらず、米・EUがまだ交渉中なのにもかかわらず決裂記者会見を行い、ひんしゅくを買ったようである。はぁ....。


「気候変動に関する政府間パネル」は2100年には世界の平均気温が1〜3.5度上昇するとしていたのを、1.5〜6度と上方修正しており、来世紀中に海面が50cm上昇して約2億人が移住を余儀なくされるであろうと予測している。モルディブなどは水面が上昇すれば、国が消滅するという危機感があるのに対し、ある先進国代表は移住する方が安上がりと言ったそうである。この無神経さ、信じられる?(...って、森首相やないやろな?言いかねんからな...。)オランダも国土が低いため危機意識は高い。それに比べ、島国・日本は「のほほん茶」か?