行き場のない核のゴミ

朝日新聞によると、青森県の六ヶ所村で稼働準備中の核燃料再処理工場について、電力業界からコスト負担の大きさを懸念する声が広がっているそうである。これに対し木村知事は「再処理が困難になれば県内に受け入れた核燃料は県外搬出を求める」と語ったという。この事は再処理工場が凍結すると全国の原発で出た使用済み核燃料の持って行き場が無くなることを意味する。同施設は2005年完工を目指して(ちなみに建設費は2兆円以上ね)現在試験段階に入り、全国の原発から使用済み燃料が運び込まれているが、東京電力によると、今青森が受け入れをやめると、プールが満杯近い福島第2原発3号機は来年にも止まってしまうという。
国際的には使用済み核燃料は再処理せず、長期貯蔵や直接処分する手法が広がっている。だが、日本の原子力政策は核燃料サイクルにこだわり続けてきたため、プルサーマルという「出口」が閉じた矛盾を抱えながらコスト高の再処理・サイクル路線を突き進んでいる。ちなみにコスト高は当然の事ながらいずれは消費者に跳ね返ってくるので念のため。
また、使用済み核燃料から製造されるプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)を通常の原発で使用するプルサーマル計画だが、こちらも福島県知事らの反発で現在凍結中
新潟県柏崎市では、同市の刈羽原発でのプルサーマル計画について、刈羽村の品田村長はこの計画の是非を問う住民投票実施することを決めた。


福井県の関西電力高浜原発で99年9月、プルサーマル用に海外再処理した燃料のデータ不正が発覚し、計画は頓挫。その後、茨城県東海村のJCO事故も続き、全国で計画が延期された。一方で、海外再処理されたMOX燃料は各国の非難を浴びながら次々に返還されている。