悪魔の兵器・劣化ウラン(その2)

米軍は必死で安全性を強調しているが、劣化ウラン研究会の資料によると、劣化ウランが人体に与える影響について、重金属毒性と放射線被爆により重大な健康被害をもたらすものであることは放射線や放射性物質を扱うものにとっては常識中の常識であると書かれている。EU議会は2001年に「劣化ウラン弾の全面禁止」を求める決議を採択している。また、米軍の「実験」によると「15年間に渡り米国内で行った実験では土壌に残留している劣化ウランが地下水に移行することはない」とされている。とところが、UNEPのコソボでの調査では地下水に劣化ウラン汚染が広がっていることが確認されている。また、米軍の説明では「環境中には天然ウランは存在する」と、さも問題無しのように説明していたが、その濃度はppb単位、すなわち10億分の一という単位の濃度の話。劣化ウラン弾を何千発も打ち込んでいる場合の濃度は?まさしく天文学的な濃度と言えよう。

先日、衆議院議員会館で集会があり、イラクに行っていた医者の方の話を聞く機会を得た。彼女は十数人のイラクの子供達の写真をかざし、「この写真に写っている子供達はこの12年で全て死にました。」「現場が死亡に追いついていかない現実。病院の中で医者が患者に駆けつける間に死んでいく。分刻み、秒刻みで人が死んでいくのです。」「直撃しなければ良いっていうもんじゃない。心臓疾患の人が爆撃に耐えられますか?」「イラクではどこでも、どこの家族にも白血病の患者が居ます。」「日本では白血病は8割くらい助かりますが、イラクでは8割がなくなります。」彼女の言葉は、重い。それに比べて小泉の発言の軽さは、どうよ?

ちなみにイラクの医療体制は湾岸戦争前は「欧米並の水準」であったとWHOは認定している。中東きっての医療大国であった。それが今ではイラクの人口の半分が子供であると言う。すでに異常であるが、加えてその4人に一人が栄養失調8人に一人が5歳までに死ぬと言う。バスラには子供専用の墓地があるという。そして、毎日何人もの埋葬が行われていると。湾岸戦争後の小児白血病の発症率は最大17倍にもなるという。その子供達は「制裁によって薬が無いために治療が受けられないから退院していく」という。

上述の集会の誘いに対し、公明党赤松氏(秘書かもしれないが)はこう言って断ったそうである。「これは戦争ではない。警察行為である。アメリカは世界の警察。もしさじを投げたらどうすんの?イラクはテロ支援国家であり、主権国家ではない。だから問題無し。国連中心より日米同盟優先」などなど。こんなヤツが有事法案に携わっている。本人にも問題があるが、こんなヤツを有事法案の担当にした公明党にも問題がある。公明党って、確か「平和の党」であったはずやな?前にも書いたが、敢えて今一度問う。公明党支持者の方々、これでええんか?


http://www.agop.tv/chainreaction/index.html

http://www.web-light.nl/VISIE/extremedeformities.html
上の2つのサイトには劣化ウラン弾被害の子どもたちの写真が多数ある。とても正視に絶えない。が、見なければいけない、知らなければいけない、と思う。ぜひ、見て欲しい。

http://www.chugoku-np.co.jp/abom/uran/index.html
「中国新聞」の連載「知られざるヒバクシャ 劣化ウラン弾の 実態」

っちゅうかな、マスコミ、え〜加減にせえよ。トマホークの発射シーンとか、艦載機が飛び立つシーンとか、そんなもん、どうでもええんじゃ。それより、爆撃の下で、何が起こっているか、どんな悲惨な状況が生み出されてるか、それを伝えなアカンのんちゃうん?アメリカ大使館前に来ていた詩人が謡っていた。「ジョンレノンは平和な世界を想像しようと言いました。俺は、戦争の本当の姿を想像しよう、どんな惨いことが起こっているのかを想像しよう、と皆さんに訴えます」と。