イラク復興、誰のため?

イラク支援という名の下に米軍支援の軍隊を送る。そんな法案が通過しようとしている。イラク国民がアメリカの占領を快く思っていないことは周知の事実。そんな占領軍の支援をするために軍隊を派遣する。それは「誰のため?」

「イラクの国民生活の安定と向上、統治組織の設立等に向けたイラク国民の自主的な努力を支援促進する国際社会の取り組みに主体的かつ積極的に寄与するため、国連安保理決議を踏まえ、人道復興支援活動および安全確保支援活動を行う」というのがイラク新法の目的だそうだが、笑わせる。

「安全確保支援」とは「米軍の安全確保」であって、イラク人の安全確保ではない。そしてそのためにはイラク国民を殺すことにもなりかねない。この法案の目的に添うのなら、まずやるべきことはアメリカに働きかけて占領政策を止めさせ、イラク人自身の手による統治機構を設立するべきではないか。

大体やね、戦勝国が敗戦国を占領し、占領軍が自分達の都合の良いようにその国を作りかえる...そんな時代遅れのやり方はもうええやろ?「戦争をしかけて勝ったらその国を好きに出来る」...そんなやり方を認めることこそ、侵略を誘発させるんちゃうのん?

はっきり言うてみ。何しろ「自衛隊を出したい」だけやろ?


話は変わるが、川口外相はこの新法の審議中に「米軍は劣化ウランを使ったとは言っていない」などと何度も答弁しているそうである。

アサヒ新聞によると慶応大學の藤田助教授の現地調査によりバグダッドで通常の100倍のガンマ腺が検出されたという。同市中心部の政府機関の建物周辺からは30ミリ機関砲で使われる劣化ウラン弾の破片が多数見つかり、その破片からは1時間当り6マイクロシーベルの放射線が検出されたそうである。