もし総理大臣がペテン師だったら...

そら、怖いわな。何せ、日本の総理大臣ってなもんは絶大な権力を持ってるもんな。しかも最近は戦争を起こす権限も手に入れたそうやし。

先日ニュースステーションで自衛隊の派遣先であるサマワ市内にある日本歓迎の横断幕についてこんなことを言っていた。「日本語で自衛隊歓迎と書かれていますが、アラビア語では日本人歓迎と書かれているんです」と。それが本当ならなぜそんなことになったのかワシは不思議でならない。そもそもアラビア語に「自衛隊」なんて言葉は恐らくないと思うのだが。そしてその横断幕のことは政府の報告書にも書かれてある。で、結論が「安全で歓迎ムード」。

邪推かも知れないが、わざわざ「日本人」を「自衛隊」と訳して書いた(書かせた)奴がおるんとちゃうか?ちなみに外務省って、自分たちの都合のよいように翻訳するのは得意技やんな?もしも、ある奴(勢力)が意図的に訳して政治的に利用したとしたら、これがペテンでなくて何や?ま、そうでないことを祈るが。これについてはこちらを参照してちょ。

その番組の中で地元の人たちは「日本人は歓迎するが、何で軍隊が必要なんだ?」と言っていた。今、彼らが最も望んでいるのは働き口が欲しいことだという。そして日本が来るということは、あの優秀な製品を作る日本の企業が来る=働き口が出来ると思って歓迎しているのだと。自衛隊は彼らに働き口をもたらさない。おそらく彼らに銃を突きつけるだろう。彼らの期待が失望に変わったときにどうなるのであろうか。


自衛隊派遣を決めた閣議決定の後の会見で小泉総理は「武器、弾薬は輸送しない」と明言したそのチンチンの先も乾かんうちに福田官房長官は「武装した兵隊を運ぶのはえ〜んちゃうん?常識の範囲内で装備している武器はえ〜んちゃうん?」とか何とか。ふ〜ん、ほんなら、例えばヘロインを持ってる奴を運んでも密輸にはならんのね?

「常識の範囲内」って何や?ちなみに劣化ウラン弾は常識的な装備なんですかね?で、装備してる武器が「常識的」な範囲内かどうかチェックするんですかね?ちなみに今まで政府は日本に寄港する米軍艦船が核を装備してるかどうかをチェックしてこなかった(或いは見て見ぬフリをしていた)わな。

そもそも武器弾薬はアカンけど兵員やったらええっちゅうのも分からんし。


首相は記者会見で「武力行使はしない。戦闘行為には参加しない」と強調したが、石破防衛庁長官は筑紫哲也氏の番組で「テロと戦うのは戦闘行為ではない」と、これまた全く意味不明の主張を真面目に言っていた。ミサイルを打ち込まれても、対戦車砲で攻撃しても、彼によると「ゲリラやレジスタンスと戦うのでない限り戦闘行為ではない」らしい。

いやいや、彼を責めてはいけない。何故なら彼は政府の定義した「国または国に準ずる者によって組織的、計画的に行われる攻撃」でなければ「戦闘行為」とみなさないというチンプンカンプンな論理に従っているだけなのだから。防衛庁のトップである彼が、もし自衛隊が攻撃を受けた場合に誰が攻撃をしかけているのか、その背後関係も含めて調査し、それが「国または国に準ずる者」による攻撃かどうかを見極め、しかもそれが組織的でかつ計画的かどうかを判断し、その場合には攻撃を受けないように(すでに攻撃を受けてるのに)何とかするなんて芸当ができるはずが無いな〜んてこと、分からない筈がないやん。

ちなみに日本人外交官殺害については、未だに犯人も動機も全く分かってへんやん?その上で戦場で攻撃主体を判断するなんてこと自体、無理があるっちゅうことに何で気づけへんのん?撃たれたら逃げるのか、撃ち返すのか、相手を見定めてから?そんな悠長な。大体、組織的、計画的かどうかなんて、後で調査して分かるもんやろ?その現場でどう判断せえっちゅうねん?

江戸時代の仇討ちとか、源平の合戦とかやないねんから、誰が「やあやあ、我こそはアルカイダのメンバーなり。ちなみにさっき思いついたから計画的ではあらず。その方らに恨みは無いが、アメリカに組みするものは成敗する〜!!」とかいう口上を唱えてから攻撃するねん?

ちなみにブッシュはご存知のように「テロとの戦争」て言うてるけどね。


首相が前述の会見で、あろうことか憲法の前文を引用して派兵の説明をしたが、ワシは無性に腹が立ってしゃーなかった。オノレが変えたいと言うてる憲法の理念を捻じ曲げて、その理念がもたらした結論(9条)には全く触れずに9条とは正反対の結論を説明しようとしている。ワシは「この人、どういう思考でこんなことを大真面目に言ってるんやろ?」と不思議だったが、それは彼が会見の中で9回も強調した日米同盟が彼にとっての全てだからだと考えると合点がいく。憲法前文にある「国際社会」或いは「世界」を「アメリカ政府」或いは「ブッシュ」と変換して初めて彼の思考が理解できるのである。彼は何ゆえそこまでアメリカを盲信するのであろうか?一国の指導者としては極めて危ういと思うのだが。「国際社会から試されている」と彼は言った。訳すとこうなる。「ブッシュ政権から試されている。」そう、これは「国際貢献」ではなく「対米貢献」なのである。

国際社会が求めているのはアメリカが自国の意見を他国に押し付けるのをやめ、国連を尊重し、国際協調路線をとることではないんか?占領政策を早期に終了させ、イラクの主権を早くイラク人に返すことが求められてるんちゃうん?現在の占領政策が行き詰まっていることは誰の目にも明らかやと思うが。アメリカが現在のような国連を無視して自分勝手に振る舞うことをやめさせることが日本に求められていることやと思うけど。

国際社会においては長く外国軍の派遣を可能にする枠組みは唯一、国連による「平和維持軍(PKF)」だった。その意味でも今回の派遣は大義がない。ちなみにマレーシアのアブドラ首相は「国連抜きではイラク問題で一切協力できない」と表明している。こういう姿勢がアメリカに国連協調路線をとらせるために有効なのでは?

毎日新聞に、派遣決定を受けた市民の声としてこんなのが載っていた。「テロに屈するなと言う前に米国に屈するなと言いたい」と。

この会見の問題点を詳細に指摘した記事を是非読んでいただきたい。


「危険だから行かない、安全だから行くというのはおかしい」という意見がある。それはそうかも知れん。けどな、それを言い出したのは政府やんけ。そもそも憲法違反の法律を強行するために苦し紛れに考え出した考え方が派遣先を戦闘地域と非戦闘地域に分けて、非戦闘地域に派遣するから戦闘行為はしないんで(違憲性の議論としては)大丈夫っちゅうもんやろ。それがイラク派兵法の論拠やんけ。ワシはもちろんそれすらおかしいと思うけど、少なくとも自分たちが言っていた論拠が破綻しているねんからその上にたった法律に沿って派遣することはでけへんちゃうん。自分らが言い出した枠組みをすでに踏み外してる言うとるんや。

援助は確かに必要だが、軍隊が行くことにより紛争のタネを撒きに行くことになるのではないか、という疑問には首相は一切答えていない。むしろイスラムの敵とみなされることで今まで押しなべて日本人に親近感のあったイスラム教徒から(他国も含めて)活動しているNGOなどの民間人を危険にさらすのではないかという疑問のほうが大きい。実際、アフガンで活動しているNGOの一人は「今度は行くのが怖い」て言うてるし。

軍事力によってテロをなくすことはでけへん。今、正にそれが証明されとるやないか。イラクでは今まで少なくともテロは無かった(アルカイダはフセインを世俗的として毛嫌いしていたし)。それが、どや?正にアメリカがテロを作ったと言っても過言ではない。これについては田中宇氏が興味深い指摘をしている。

それに援助というのは相手の視点に立つということが不可欠であるが、今回の騒動で小泉首相にイラク国民の視点があったとはとても思えない。そういえば、日本のODAもそうやしなぁ。


国益を言うのなら、今までイラクを始め中東の人々は基本的に親日であった。それは今までNGOや民間企業達が彼の国々でやってきたことの成果であろうし、今まで中東に侵略したことがないこと、日本製品の優秀さ、同じアジアの両端にあること、堀江さんがいること(これは多分関係ない)、その他様々な理由があるのだろうが、今回の派兵の結果如何ではそれらが全て吹っ飛びかねない。日本人がイラク人を殺す事態になったとき、彼らの親日感情はどこへ行くのだろうか。そっちのほうがよっぽど国益を損なうと思うが。「戦争をしない国」「武力行使をしない国」という、世界平和を願う人たちから尊敬されてきた日本の姿が崩れること、そのことがよっぽど世界平和に与えるダメージが大きいと思うのはワシだけか?

ちなみに第2次大戦以降、世界でもっとも多く戦争をした国はどこか?もっとも軍事力を行使した国はどこか?それはもちろんアメリカね


陸自の第2混成旅団が取材を受けた場合の想定問答集を作成、配布していたそうな。その中で「派遣されたら不安はないですか」という問いに対しては「特にない」と答えるように指示しているという。それ、ウソやろ?「答えられません」と指導するなら、まだ分からんでもないけど、「不安がない」と無理やり言わせるのは場合によってはウソをつかせるわけやん。このあからさまな情報操作、どーよ?何なら思想、心情の自由、言論の自由も侵していると思うが。


元自衛隊の加茂市長は「自衛隊は日本を守るのが目的だから入隊した」という人にとっては海外派兵は契約違反だと断じている。そら、そうやろ。話が違うもんね。


米英軍がイラクで使用したクラスター爆弾で1000人は死亡しているという報告があった。使用されたクラスター爆弾は130万発、子爆弾は190万発以上(イラクの人口って、何人くらいやったっけ?)、不発弾(地雷)は推定9万発


東大の田中という教授は首相の奇天烈な憲法解釈?を基本的には正しいと言っている。彼によると、憲法が禁じているのは日本が(過去に)行ったようなあからさまな侵略行為であって、侵略者に対する懲罰など「平和を構築するための武力行使」は禁じていないそうである。こいつ、ホンマに教授なんか?しかも東大の?

まだ分からんようやから、前にも載せたが、もう一度9条を引用しておく。どこにそんな注釈がついてるんか、これをよう読んでみんかい!(多分彼はこのページを読んではいないと思うが....)

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第9条【戦争の放棄,軍備及び交戦権の否認】

日本国民は,正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し,国権の発動たる戦争と,武力による威嚇又は武力の行使は,国際紛争を解決する手段としては,永久にこれを放棄する。

前項の目的を達するため,陸海空軍その他の戦力は,これを保持しない。国の交戦権は,これを認めない。


公明党神崎代表が陸自が派遣されるサマワに視察に行ってきて「安全」と言ったそうである。滞在時間3時間半エッチホテルのサービスタイムでももうちょっと居れるっちゅうねん。オランダ軍の厳重警戒の中の視察。そら、安全やろ。しかもオランダ軍司令官の「散髪行くときも警護は要らん」とかいう説明を鵜呑みにしての結論。何ぼ派遣容認の為のパフォーマンスのため言うても、もうちょっとやりようがあるやろ。で、事もあろうに日本人ジャーナリストがオランダ軍司令官が散髪している様子をビデオ撮影してたと。厳重警備つきで。詳細は是非こちらを。笑えるぞ。


政府はここにいたっても米軍の劣化ウラン弾の使用について「使用したとは聞いていない」などというふざけた答弁を繰り返している。これについては是非こちらを参照していただきたい。

で、一応自衛隊に簡易放射能測定器を持たせることにしたらしいが、これがまた、測定できるのがガンマ線とベータ線だけであって、ウランが最も放出するアルファ線を感知できないというシロモノなのである。これが詐欺でなくて何や?これがもし、訪問販売やったら、どや?ジャロに言うぞ。これについては是非こちらを参照していただきたい。


来年度の予算案について首相は「メリハリのついた、良い予算」とか自画自賛しているそうな。新規の国債発行は36兆5900億円、そのうち赤字国債は過去最高の30兆900億円。国債依存率も44.6%で過去最悪だった今年度当初予算とタイ記録。で、「国債30兆円枠」って、どこへ行ったん?ま、今年始めに国債30兆円枠という公約を守れなかったことを「大したことじゃない」っちゅうてたもんな。今回は話にも上れへんかったらしいが。ちなみに国債残高は過去最高記録を更新しての530兆1690億円だそうな。ワシのHP更新予告の「予告どおりに更新しない記録」も更新中だが。

で、ある世論調査では福祉に使うなら消費税を上げても良いという意見が大勢を占めているとか。消費税って、「福祉のために使う」て言うて作った税金やんな?確か。ちなみにイラク派兵の費用が377億円てか?ちなみに自衛隊がクラスター爆弾配備に使った金が146億円。戦争に使う費用を回さんかい!ワシらは戦争をするために税金払うてんのとちゃうぞ!(ちょっとやけど)