還暦

戦後が還暦を迎える。憲法(施行)はさ来年だが。干支が一巡するということは世代がめぐり、時代は変わり、というわけで憲法について、改憲論議が活発なように見える。改憲が党是の自民党は「改憲の機は熟した」と言っているらしいが、「機」って何や?それは民主党を巻き込めば国会を通せる、ちゅう国会の力関係だけのことやんな?決して多数の国民から改憲の声が上がってるわけではないで。

確かに世論調査では改憲肯定層はかつて無い程多いが、自民党が目的とする9条に限って言えば決してそうではない。その他の、環境とかプライバシーとか、耳ざわりのエエとこを散りばめた結果やん。

自民党の「改憲」だの、民主党の「創憲」だの、公明党の「加憲」だの、色々言われているが、ワシには言葉遊びにしか聞こえんがな。そんなことよりまず還暦を祝わんか?

戦後60年、曲がりなりにも戦争に直接参加せんで済んだのは紛れも無い、この憲法のおかげやろ?9条が無かったら、少なくともイラク戦争には参加して占領軍の一翼を担ってたのは間違いないやろ?

「憲法は時代に合わなくなってきた。だから時代に合うよう改めるべき。」...よう言うわ。憲法に合わない政治をやってきた連中が。そもそも法律を作る連中が憲法を守れへんねんから、今後、もし憲法を変えてもそいつらがその憲法を守る保証は無いんちゃうの?

以下東京新聞の社説から。少々抜粋させてもらうが、是非本文を読んでくれ。

「憲法の理念に現実を一歩ずつでも近づけるのが政治だ」小田実氏の言葉。

「諸問題の因は憲法理念を実現する政治がされていないからです。政治家は怠慢の責任逃れをしてはいけません。」いや、全くそのとおり。


この社説でも指摘しているが、近現代史を学校で教えないことに問題があるのも同感。ワシは小・中・高校と3回日本史を習ったとき、必ず現代史がおざなりになるのを不思議に思っていた。

小学校のときは先生の「時間が無いので」という言葉を素直に信じて、「現代に一番近いことの方が大切なんちゃうんかい。もっとちゃんと時間配分せんかい。使えん先生やのう。」と思っていた。

中学でも同じく現代史にたどり着かずに授業を終えたとき、「ほんなら、例えば小学校で地理と公民、中学で歴史と倫理とか、歴史については小学校で古代・中世、中学で近代・現代をやるとか、何とか工夫せえよ。」と思っていた。

高校でも同じだったのに及んで、「ははん、こら、ワザと現代史を学ばせへんようにしてるねんな。」と考えるようになったもんや。全くの推論だけやが、確信しているぞ。