落ちこぼれ防止法

THE BIG ISSUEという雑誌をご存知だろうか?ホームレスの自立を助けるという趣旨を持つ薄い小冊子である。大きな駅前の道端で少し遠慮がちにホームレスのおじさんが売っているので良かったらどうぞ。1冊200円で、そのうち110円が販売者に入る仕組み。内容も、腐ったマスメディアでは取り上げないようなことを書いている。まぁ、客寄せの有名人インタビューがトップなのだが。

その9/15号の記事から。

アメリカの「落ちこぼれ防止法」について。この法律、学力の底上げと地域間の格差是正などを目的に作られ、ブッシュの署名により2002年1月に成立した。それだけ聞くと、誠に結構な法律である。が、何故かこの法律によって軍がリクルート目的のため生徒の個人情報を取得する権利を持ち、情報提供に従わない学校は連邦の補助を受けられないことになっているそうな。「ええ〜?何でやねん!」と、思わずツッコミを入れたくなるような法律だが、何でこんなアホな法律が通ってんやろ?と考えながら、ちょっと身震いした。ブッシュ大好き小泉が同じような法律を作ろうとしたら今なら出来てしまうんちゃうか?と。

シカゴのセン高校では、学校の3分の1の施設が海軍の歴史を教えたり新兵訓練所となることが決まっているそうである。ま、洗脳所やね。

2000年以降、軍の新兵採用実績が目標を下回っているアメリカではブッシュの「自由と民主主義のための戦い」を遂行するためには新兵を確実に供給する必要がある。そのための法律がこれなのである。現在予備役下士官訓練プログラムには20万人(!)の高校生が参加しているという。このプログラムの多くは体育の単位の代わりに受講できるという。これらのプログラムの多くはボーイスカウトのように軍隊の基礎を遊びやゲーム感覚で教え、多くは成功しているという。

この記事の最後にはこうあった。「企業国家アメリカは貧困家庭の若者を軍隊に入れる努力にいっそうの拍車をかけつつある。」

そして、わが日本。自衛隊の志願者は目標を下回っているという。果たしてこれが対岸の火事で済むのか?