水俣病認定審査会休止中

ちょっと呆れたぞ。

公式確認から50年経つ日本最初の大規模な公害・水俣病。村山さんの時に政治決着したはずやのにまだ解決してなかったんや。それもびっくりやけど何がびっくりて、現在3千人以上の患者が認定申請中の鹿児島、熊本両県の認定審査会が機能停止中やねんて。

有り得へん!

何でかと言うと任期切れの審査官が審査の二重基準を嫌って再任を拒否しているからなんですと。

ざっと経緯を言うと、元々国は患者認定に際して「有機水銀の影響が否定できない場合は認定」という立場だった。それが77年の環境庁部長通達によって感覚障害と他の症状の組み合わせがある場合のみしか認めなくなった。それで患者側は「切り捨てだ」と怒り、泥沼化していった。95年に村山内閣が「早期救済・早期解決のために政治決着を」と、和解案を示し、多くの患者と和解した。が、関西訴訟は国の責任を追及するとして提訴を取り下げなかった。そして04年、最高裁が国の責任を認め、77年通達よりも緩い認定基準を認めた。

しかし、国はそれに従わず、77年通達の基準に固執しているのである。

50年やで、50年。いわれなき病魔に苦しめられた人々が50年闘ってきた。何と?国と?何で国民が国と闘わなアカンねん?

志半ばで逝った人も多くいる。苦難の人生は戻ってこない。最低限の人間的に暮らす権利さえ奪われたこの人たちに何故手を差し伸べない?面子?国の面子って何?基本的人権を保障するのが国の役目ではないんか?他の公害病にしろ、HIVにしろ、ハンセン病にしろ、原爆症にしろ、国が責任を認めないが故に長い苦難の時を強いられてきた。まず救済せえよ。


ちなみに当の水俣病の原因企業であるチッソは創立100周年を記念して開いた謝恩会で、水俣病問題について終息に向かいつつあるとの認識を示したんですと。で、チッソはデジタル家電向けの液晶部材が好調で、06年3月期には、経常利益100億円の過去最高益を見込んでいるらしいで。