月刊サルでも出来るドラムセミナー vol.4

初めて読む人は READ ME を見てね。


前回の「言葉とリズム」が(自分の中では)好評だったので今回は「パート2」。


皆さんは早口言葉の「東京特許許可局」を何拍子で言いますか?そのまま繰り返すと「とうきょう・とっきょ・きょかきょく」で4・3・4の11拍子ですね。ドラムで言えば「ー・っち・つとこ」(太い文字はアクセント)という感じで叩くと雰囲気が出ます。

このように、言葉の言い回しをドラムで(他の楽器でも)表現してみましょう。結構面白いし、想像力・表現力アップにつながると思います。菅沼孝三の「チキンタツタ」は有名です。勿論、言葉だけでなく日常耳にする音なんかも良いですね。


よく発声練習に使われる北原白秋の「あいうえおの詩」をご存じですか?「アメンボ赤いな、あいうえお....」のアレです。

アレは通常、「きつつき・こつこつ・枯れケヤキ」のように、4・4・5のノリで、5の後に3休んで、4・4・8すなわち4拍子になります。ところがハ行の「ハトぽっぽ・ほろほろ・はひふへほ」だけは・4・5なのです。

昔、私はこれが不思議でなりませんでした。1文字を8分音符と捉えると、「ハトぽっぽ」が5/8拍子になりますね。だから、5/8・2・4という超変態拍子になるわけです。もしくは、「ハトぽぽ」と間を詰めれば4拍子になりますがこれではちょっと何のことか分かりません。苦し紛れに「ハトぽっぽー」と伸ばして6文字分(3拍子)にして、3・2・4でやったものです。

最近気づいたんですが、これ実は「ぽっぽ」だけハネると4拍子になるんですね。つまり、「ハト」で1拍、「ぽっぽ」で1拍です。皆さんはご存じでしたか?でも、これって以外と難しいんですよ。ぼけっとしていると全部ハネてしまって「ハ〜トぽっぽ・ほ〜ろほ〜ろ・は〜ひふ〜へほ〜〜....」てな調子でおマヌケさんになってしまいます。

このページを見た演劇をやっている方、どういうリズムでやっていますか?教えて下さい。ちなみに女優・太田悦子は「リズムなんか気にしたことがない」と豪語していました。


次は古いネタで恐縮ですが関西方面で一世を風靡した「飴・コーヒー・ライター」です。

「コーヒー」と「ライター」は4文字なので問題有りません。「あめ」をどう扱うかが勝負の分かれ目です。最初は「あめ」の後に2文字の休符を入れます。そうすると1文字を16分音符として3拍子になります(表のA)。これは頭がハッキリしたノリになりますね。次に「あーめー」と伸ばして8分音符にします。するとだらっとした3拍子になります(表のB)。そして仕上げはそのまま読んで最後を伸ばします(表のC)。するとあら不思議、「コーヒー」は弱起状態になり、めでたく「あめこ」と聞こえるようになります。そうすればこっちのモノ。そのまま10回くらい繰り返させましょう。「ひーらいた」と、伸ばすところに妙な歌心を感じますね。ちなみにメトロノームに合わせてやるとより効果的です。さあ、手近な関西人ですぐ試してみましょう。

1 2 3 4 2 2 3 4 3 2 3 4
A
B
C


用語解説

菅沼孝三

すがぬま・こうぞう=日本が誇る変態ドラマー。自ら「手数王-てかず・おう-」を名乗り、手数教の布教に努めている。さらに最近では「足数王」、「おかず王」とも称しおり、またさらに一部からは「口数王」とも呼ばれている。それに対してポンタ先生は「場数王」と名乗って対抗している。言うたモン勝ちか? -戻る

チキンタツタ

6拍子の「チキンタツタ」の向こうを張って、「ちんちんタツタ」(7拍子)でやってみよう!せ〜の〜で〜! -戻る

ハトぽぽ

ハトのアソコ。...それは「ぼぼ」!...「ぼぼ」が分からない人は手近な九州人に聞いてみよう。元アース・シェイカーのマーシー氏でも可。 -戻る

ハネる

bounce・跳ねる。音符をハネさせる。例えば、ケンシロウの「あたたたたたたたた」は跳ねていないが、ちんちんの「あ、立った立った立った立った」(「あ」はウラ)は跳ねている。....または仲介者がギャラの一部を抜くこと。ピンハネする。 -戻る

飴・コーヒー・ライター

松福亭鶴光氏の深夜ラジオ番組「オールナイト・日本」の代表的ギャグ。下品なことこの上ないギャグで受験生の脳みそを席巻した。 -戻る

弱起

勃起力が弱いこと。性欲は十分あるにも拘わらずカチカチにならないこと、またはなりにくいこと。最近はこれが悩みで...ちが〜う!ジャッキとは車の...それもちが〜う!小節のアタマより前から曲(フレーズ)が始まること。アウフタクト(auftakt)。 -戻る


今回は少し下ネタが過ぎたのでこの辺で自粛しておきましょう。全く反省の色がないまま、次回も乞うご期待。