月刊サルでも出来るドラムセミナー vol.5

初めて読む人は READ ME を見てね。


久しぶりに今回はドラムっぽくいきましょう。というわけで「ストロークのトップポイント」。


要は「スティックを振り上げた時のポイントを意識してみましょう」っていうことです。ここで言う「ポイント」は空間的意味(高さ)と時間的意味(タイミング)の両方を指します。


で、その「ポイント」を意識する方法ですが、私のドラム教室でよくフォームの矯正に使う便利な基礎レッスンを紹介します。

まず、自然な状態の両ひじとスティックの先で二等辺三角形を作り、レディーポジションとします。このとき、スティックの先は打面から2〜3センチ上空で、横から見ても上から見ても肘からスティックの先までが一直線になるように注意して下さい。

そして振り上げるときにスティックを肩口に当てます。このとき肩の当たる場所が一定であることと、目でスティックの軌跡を追いかけて常に一つの平面上を往復していることを確認すればフォームの矯正に役立ちます。スティックでトンボを捕っている状態で困っている人などはお試しあれ。

話がそれましたが、この方法でスティックが肩に当たるタイミングと強さを身を以て知り、コントロールする練習をするわけです。


A まずは右手を肩に当て、左手をレディーポジションで構えます。で、1拍目で右手はダウンストローク、左手はそのまま。2拍目で右手はそのままに、左手は振り上げて肩に当てます。あとはこの逆。これはダウンビートの裏にトップポイントを持ってくるやり方です。これを片手だけでやると、シンバルを二段重ね(上を逆向け)にして片手でカップを16分で叩く、俗に言う「バイテン奏法」の予備練習などに有効ですね。


B 次は3拍子でやってみましょう。構えは同じ。で、1拍目で右手はダウンストローク、左手はそのまま。右手はそのままで2拍目で左手は振り上げを開始します。このとき手首に綾釣り糸が付いていて、その糸を上に引っ張られるような感じで。横から見ると手首を頂点とした「へ」の字になるように。3拍目で左手を肩に当てます(右手はそのまま)。これで最初と反対の構えになるので、手を逆にして繰り返します。スローブルースなんかを歌いながらやるとグッドです。


それぞれをマスターしたら、今度は一定のタイミングでダウンストロークをしてみましょう。すなわち元々の1小節を1拍として、それぞれ拍のアタマでダウンストローク。そしてAではウラで、では3連のケツで肩に当てます。そうすると、の方が振り下ろすスピードが必要ですね。何故なら同じ距離(=肩〜打面)を移動するためにA では半拍分の時間に対して、では3分の1拍分の時間しかないからです。この理論でいけば、同じテンポで4連、5連、6連、7連、.....と進んでいけば、どんどんストロークのスピードアップのトレーニングが出来ますね。しかも奇数連符の練習もできるという。ありがたや、ありがたや。


用語解説

二等辺三角形

アメリカングリップの場合。他のグリップについてはこの限りではない。グリップについても改めて詳しくやるつもり。 -戻る

スティックでトンボを捕る

正面から見てスティックの軌跡が楕円形を描いている状態。指で円を描いてトンボを捕るやり方にちなんでこう名付けられた。(私が今、名付けた。) -戻る

上を逆向け

元祖シンバルの二枚重ね(コージー・パウエル方式)はどちらも普通の置き方にする。ちなみに「逆向-さかむけ-小学校」は「がきデカ」が通っていた小学校。 -戻る

バイテン奏法

1ストロークで2発打てる画期的奏法。ダブルストロークとは全く違う発想である。スティーブ・ガッドがよくやる、カウベルにスティックを突っ込んでの絶妙なラテン・フィールのプレイが有名。ちなみに「バイテン奏法」とは私が今、名付けた。 -戻る

「へ」の字

元アースシェイカーのクドー氏はこれを「たこチュウ」と呼んでいる。出典は不明であるがなんとなく雰囲気は伝わる。ちなみに私は「猫招き」と呼んでいる。 -戻る


おお、素晴らしい!今回は下ネタがゼロ。やれば出来るがな。べつに前回反省したわけではないけど。よ〜し、次回は下ネタ全開でいくぞー!