月刊サルでも出来るドラムセミナー vol.3

初めて読む人は READ ME を見てね。


今回のお題は少し趣向を変えて「言葉とリズム」。

おお、素晴らしい!どうです?これならドラマー以外の人にも面白そうでしょ?

というわけで、まずは前回のクイズと補足から。

前回クイズの答え=14拍

「飛んで」を9回言うのだが、最後が半拍長くて2拍分。すなわち一回が1拍半のカウンターを8回で12拍プラス2拍の合計14拍が正解。たくさんのご応募、ありがとうございました。(誰も応募してへんっちゅうに) -何のことかさっぱりわからんという人はこちら

うんちく

前回ワルツについて少しお話しましたが、ワルツの語源は「回る」という意味だそうです。オーストリアの「レントラー」という民族舞曲が起源だといわれているそうです。(と、ダンスの本に書いてありました。)


第一回の16分音符の用語解説で「タカツキ(高槻)」という言葉をあてはめましたが、大阪ではこれは定番でして、東京では「カツシカ(葛飾)」でしょうか?知ってる人、教えて下さい。

日本語というのは原則的に一文字で1音なのでこういう時便利な言語ですね。特にタイミングの取りにくい奇数連符の練習などでよく使われる手法です。例えば5連符なら「ニシウメダ(西梅田)」、7連符なら「ヒガシキシワダ(東岸和田)」、9連符なら「タニマチヨンチョウメ(谷町4丁目)」、11連符なら「ニシナカジマミナミカタ(西中島南方)」、13連符なら「テンジンバシスジロクチョウメ(天神橋筋6丁目)」...きりがないのでこの辺にしておきましょう。本当は何でも良いんですが何故か地名が使われることが多いようですね。他の物でも考えてみましょう。(成人指定


今度は4拍子で16分音符を意識して「おっさん、おっさん、これなんぼ?」と唄ってみましょう。「、」の間は自由にフィーリングで。テンポはとりあえず120位で。

リズムを意識しづらい人は、まず自分でテンポを取りながら適当に唄ってみます。その唄い方がしっくりくるまで何度も唄ってみましょう。自分で何となく把握したら、そのままテンポを下げていきます。最終的にめっちゃゆっくりで、指折り数えて唄ってみて下さい。1、2、3、4、2、2、3、4、3、2、3、4、4、2、3、4、と数えながらどこにどの言葉を当てはめているかを確認するわけですね。ノリがつかみにくい人は手近な関西人に唄わせるとよいでしょう。ノリをつかんだら、テンポを90位に落として16分にはめて、そのまま倍テンチェンジアップしてみましょう。

フツーの人は下の表の A のようになると思います。ちょっとひねりの入った人は B かな?これは前回説明したカウンターですね。最後の「ぼ」は次の小節の頭に来ることになり、2小節フレーズということになります。さらにひねくれた人は C でどうだ!これは「16分の5つ取り」と呼ばれるフレーズです。何にも考えずにこうなったアンタはエライ!ヘンタイの素質十分!

1 2 3 4 2 2 3 4 3 2 3 4 4 2 3 4
A - -
B - -
C


次は同じく4拍子の16分ベースで「ちょっと、ねーちゃん、ちゃーでも行こけ。」

A になった人、あなたは要注意。おやじ指数がかなり進行しています。宴会で手拍子が頭打ちになってませんか? B になった人、ユーはなかなかファンキーだぜ、ベイビー! C の人、貴方のご先祖様はラテン系ですね?3-2のクラーベ(赤文字のポイント)を手拍子しながら唄ってみましょう。

1 2 3 4 2 2 3 4 3 2 3 4 4 2 3 4
A ちょ ちゃ ちゃ
B - ちょ ちゃ ちゃ
C ちょ ちゃ ちゃ


このほかにもいろいろな唄い方(リズムのハメ方)があると思いますが自分で試してみて下さい。。例えば3拍子にはめてみるとか、跳ねるとどうなるかとか。また、日頃喋っていることをリズム的に分析してみると面白いですよ。目指せザッパ大先生


用語解説

奇数連を言葉で(18歳未満の良い子のみなさんはご遠慮下さい)

5連符なら「たまぶくろ(玉袋)」、7連符なら「こうないはっしゃ(口内発射)」、9連符なら「じょしこうせいいのち(女子高生命)」、11連符なら「でんどうピロピロむすめ(電動ピロピロ娘)」、13連符なら「ひとづまちょうきょうはなでんしゃ(人妻調教花電車)」....ちなみに(会社の)私のマックではこれらの漢字変換が全て一発で出来た。何故だ?-戻る

倍テン

Double(倍) Tempo。文字道り、倍のスピード。その逆は Half Tempo だが「半テン」とは言わないようである。この場合、16分(1拍に4発)にはめていた言葉を倍の32分(1拍に8発)にはめる。 -戻る

チェンジアップ

Change Up = 辞書には「(自動車の)ギアを高速に入れ換える」とある。リズムの基礎練習の一つで、一定のテンポに対してフレーズを決めて、そのスピードを変えていく。最もベーシックなものは4拍子で1小節づつ4分、8分、3連、16分音符....と単純にチェンジする方法。高度なチェンジアップを体験したい人にはザッパ大先生の「ブラック・ページ#1」がオススメ。必ずや、あなたを禁断のヘンタイの世界へと誘うであろう。練習のポイントは、エッチなビデオを見ている最中に親が部屋に入って来そうになったときに即座にリモコンで普通のテレビ放送にチャンネルを変えるが如く、一瞬で次の画面(スピード)にチェンジすること。野球で言うチェンジアップは投球フォームは速いが投げる球はゆっくりであったりする投球法。 -戻る

16分の5つ取り

文字どおり16分音符を5個づつで組み立てるフレーズ。最近ポピュラーになりつつある一種のカウンタフレーズ。その前のBは16分の6つ取りと言える。これに関しては別にじっくりやりたいのでそのときをお楽しみに!-戻る

ちゃー

竹中尚人。日本人では草分け的存在のギタリスト。Pink Cloud,Psychedelixを始め、数々のバンドやセッションをこなす。長いキャリアに裏付けられた確かなセンスとテクニックは日本で屈指のミュージシャンと言えよう。昔はトッド・ラングレンと共に 「七色の音色・FENDER のムスタングを操る世界でただ二人のギタリスト」と呼ばれた。...それはチャー。いつまでボケとんねん。「ちゃー」はサ店のこと。ちなみに吉野屋に行くことは「うししばく」と言う。 -戻る

頭打ち

大木金太郎の必殺技。それは頭突き...って、いつの話や? 最近のプロレスの必殺技はいたって派手だが(聖闘士・聖矢の影響か?)、昔はこんなにシンプル(というか、そのまんま)なものじゃった。-戻る

クラーベ

ラテン音楽においてベースとなるノリのパターン。ここではその中でも基本的なものをあげた。「3-2」とは、4拍を2拍づつにとらえ、前半に3発、後半に2発のこと。逆なら「2-3」。これについてもいつか詳しくやるつもりなので、今日はこれぐらいでカンベンしといたるわ。 -戻る

ザッパ大先生

FRANK ZAPPA。惜しくも昨年亡くなったが、彼の業績は偉大であり、多方面に影響を与えている。彼はそのプログレッシブ(先進的な)方向性を自身のバンドのメンバーにも反映させ、才能ある無名ミュージシャンを多く起用した。テリー・ボジオ、ブレッカー・ブラザーズ、スティーブ・ヴァイ、ヴィニー・カリウタ....その他多くのミュージシャンが彼のバンド出身である。 -戻る